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2026.9.5
【スクール経営のコンプライアンス】善意が裏目に?知らずに違反しがちな「旅行業法」と「有償送迎」の罠と法的解決策
スクール経営において、「顧客満足度を高めたい」「生徒の継続率を上げたい」という思いから、日帰りツアーや夏合宿などのイベントを企画したり、保護者の負担を減らすために生徒の車送迎を行ったりするケースは少なくありません。
他校でもやっているから大丈夫。ネットで調べたら平気そうだった。ガソリン代程度の少額しか受け取っていないから問題ない——。
そう思って実施しているその取り組み、実は明確な法律違反(無許可営業)になっている可能性があります。
知らなかったでは済まされない、スクール運営で特に陥りやすい「2つの法律の罠」と、行政機関のガイドラインに基づいた安全な法的解決策について解説します。
事故が起きたら一発倒産?スクール経営を揺るがす2つの事例
事例1:スクール独自企画のツアー・合宿(旅行業法違反)
「自校でもキッザニア体験やキャンプ、海外研修ツアーをやりたい」と、個人・中小スクールが独自に企画するケースが増えています。しかし、以下の運用は旅行業法違反となります。
- アウトな例①: 日帰りバスツアーを企画し、バス代や昼食代を含めた参加費を徴収して募集する
- アウトな例②: 宿泊を伴う夏合宿を企画し、電車代や宿泊費を含めた参加費を徴収して募集する
旅行業法において、報酬を得て交通機関や宿泊施設の手配・ツアー企画を行う行為は「登録を受けた旅行業者」にしか認められていません。
登録なしにこれを行うと無登録営業となり、最も怖いのはツアー中に事故が発生した際、保険が一切適用されないリスクがあることです。善意で企画したイベントが、一夜にしてスクールを倒産へ追い込むことになりかねません。
事例2:保護者に代わる生徒の車送迎(道路運送法違反)
近隣住民からの路上駐車クレーム対策や、子どもたちの安全確保のために車で送迎を行うこと自体に違法性はありません。問題となるのは、「送迎に対してお金をもらうこと」です。
- アウトな例: ガソリン代や車体維持費の名目で、実費程度の少額(数百円など)を保護者から徴収して送迎する
有償で人を送迎する行為は道路運送法上の「旅客自動車運送事業」に該当し、国土交通省の許可(緑ナンバー)やドライバーの二種免許が必要となります。「実費だから」「利益は出ていないから」という理由は法律上通用せず、無許可での有償送迎は違法行為となります。
官庁のガイドラインに基づく「安全な法的解決策(エビデンスあり)」
では、スクールでイベントや送迎を行ってはいけないのでしょうか?決してそうではありません。管轄官庁(観光庁・国土交通省)の公式な法解釈に則った適切なスキームを組むことで、安全に実施することが可能です。
1. ツアーイベント:旅行業者との「契約主体切り分け」スキーム
- 法的根拠(観光庁・旅行業法第3条):旅行業務を行えるのは旅行業登録を受けた業者に限られます。そのため、スクール自身がツアーの「企画者・受託者」として参加費(交通費・宿泊費込み)を直接徴収するのをやめます。
- 具体策:登録を受けた旅行会社に企画・手配を委託し、参加者(保護者)が旅行会社と直接契約する形態をとります。スクール側はツアー内の教務コンテンツ(現地での指導や引率・宣伝協力)のみを担当することで、旅行業法違反を回避できます。
2. 生徒の車送迎:「対価性の完全排除(完全無料化)」スキーム
- 法的根拠(国土交通省・道路運送法第2条/第78条通達):道路運送法で禁止されているのは「有償運送(運送の対価として金銭等の授受が行われること)」です。実費名目であっても個別に徴収すれば対価性が発生しアウトとなりますが、運送の対価性が一切認められない運用であれば法律の適用対象外(無償運送)となります。
- 具体策:送迎料としての個別徴収を一切廃止し、「利用・不利用にかかわらず料金差をつけない完全無料サービス(費用は全体運営費から捻出)」に徹します。これにより、法的にクリーンな運用が可能となります。
まとめ:根拠のない「大丈夫」を排除し、組織を守ろう
- 他校がやっているからといって、法的根拠のない施策を安易に真似しない
- 無資格でのツアー手配や有償送迎は、事故発生時に保険が適用されず倒産リスクに繋がる
- 観光庁・国土交通省の法解釈に基づいた「正しい代替スキーム」で運営する
「自校で実施しているイベントや送迎の運用が法律に触れていないか不安だ」
「法的リスクのない適切な規約や運用フローを構築したい」
経営者の役割は、生徒やスタッフ、そしてスクールそのものを守ることです。
不安な点がある方は、手遅れになる前にぜひ一度ご相談ください。
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