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フィットネス施設に関する調査を実施(2020年)

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の民営フィットネス施設経営企業および施設を調査し、2020年10月時点のフィットネス施設数、及び業態別の施設動向、フィットネス業界の将来性を明らかにいたしました。

 

1.市場概況

 

全国のフィットネス施設経営企業および施設を対象として調査したところ、2020年10月時点での全国フィットネス施設数は7,893施設であった。また、施設を業態別に分類すると、総合型1,131施設、小規模型2,189施設、24時間型1,704施設、ヨガ型983施設、その他1,886施設になった。サーキットトレーニング主体である小規模型のフィトネス施設数が最も多く全体の27.7%を占めており、近年、急速に施設数が増えている24時間型の施設は、現時点では小規模型に次ぐ21.6%であった。一方で、従来主流であった、プール、ジム、スタジオを兼ね備えた総合型は14.3%にとどまっている。

 

上述した7,893施設のうち、新規のフィットネス施設数(2019年1月~12月にオープンした施設)は674施設であった。新規施設を業態別にみると、総合型27施設、小規模型72施設、24時間型353施設、ヨガ型68施設、その他154施設であった。新規施設数は24時間型が最も多く、フィットネス施設市場の拡大を牽引している。一方、総合型の新規施設数は27施設にとどまっており、今後、とくに総合型の構成比はさらに減少していく見通しである。

 

 

2.注目トピック~日本全国における、一施設あたりの人口は16,102人と推計

 
平成27年国勢調査の人口をもとに、本調査で判明した2020年10月時点での全国フィットネス施設総数7,893施設で、一施設あたりの人口を算出すると16,102人となった。

 

各都道府県別に一施設あたり人口をみると、一施設あたり人口の多い県上位5位は、愛媛県37,440人、青森県32,707人、熊本県32,476人、岩手県29,082人、島根県28,931人であった。九州や中国、四国、東北といった少子高齢化が進んでいるエリアでは、人口に対してフィットネス施設数が少ない傾向にあることがわかった。一方で、一施設あたり人口の少ない県上位5県は、東京都8,956人、大阪府12,538人、愛知県13,532人、京都府14,343人、滋賀県14,718人と続いた。東京、大阪の二大都市は人口が多いためフィットネス施設数が多いのは当然だが、一施設あたり人口が少ないことから、人口に対してフィットネス施設が多いことが見て取れる。

 

また、市区町村単位で一施設あたり人口を算出した結果では、一施設あたり人口の多い市町村上位5位は、熊本県熊本市北区139,974人、北海道千歳市95,448人、広島県三原市93,338人、埼玉県さいたま市西区92,588人、愛媛県四国中央市84,563人であった。これら5市の一施設あたり人口は、上述した日本全国の一施設あたり人口に対して約5~6倍に達している。既存施設の立地条件を見ると、小規模型や24時間型は施設あたり人口が多いエリアに立地しており、これらの業態の出店余地があるのではないだろうか。

 

 

3.将来展望

 
フィットネス施設の2019年の新規施設数は、年間350施設を超える24時間型の新規出店に加え、小規模型、ヨガ型の出店によって、前年比約1.4倍に増えた。
ところが、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で営業自粛を迫られるなど、フィットネス施設市場は大きな影響を受けている。業態別にみると、総合型や小規模型は会員のシニア比率が高いため、業績に深刻な影響が出ており、大手企業の経営する施設でも閉鎖に追い込まれる施設が出始めており、ヨガ型は3密回避のためにスタジオの人数制限を行う必要があり、収益効率が低下している。そのなかでも、若年層が主な客層である24時間型はいち早く出店を再開しており、フィットネス施設市場における存在感がさらに増していくと考える。

 

従来からフィットネス施設は首都圏と近畿圏に集中しており、これらの大都市圏ではコロナ禍前の時点で過当競争に陥っていた。コロナ禍では、外出自粛意識や在宅勤務の浸透の影響で、都市中心部への人の流入が減少しており、大都市圏の駅前立地の施設が苦戦している。これらを踏まえると、今後は出店余地の残る地方都市や大都市圏の郊外立地への出店が注目される可能性がある。

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