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教室運営のヒント NO,384◆うまくいく人とうまくいかない人の差

「自己流」で挑むか、「無知の知」で学ぶか。生き残るスクール経営者が共通して持つ「素直さ」の正体

はじめに:なぜ、実力があるのに「うまくいかない先生」が後を絶たないのか

学習塾、英会話スクール、音楽教室、スポーツクラブなど、いわゆる「スクール系ビジネス」は、店舗ビジネスの中では比較的、初期投資を少なく抑えてスタートできるジャンルです。

特別な大型設備がなくても、自宅の一室やレンタルスペース、あるいは小さなテナントから身軽に始められるため、毎年多くの方が「教育への熱い想い」を胸に起業(開校)しています。

しかし、参入障壁が低いということは、それだけ「ライバルが多い」ということでもあります。

同じ地域、同じ駅前、同じジャンルのスクールが乱立する中で、数年後、驚くほど順調に生徒数を増やして経営を軌道に乗せている人がいる一方で、どれだけ指導スキルが高く、素晴らしいカリキュラムを持っていても、生徒が集まらずにひっそりと閉校へと追い込まれていく人がいます。

この「うまくいく人」と「うまくいかない人」の決定的な差は、一体どこにあるのでしょうか。

指導のテクニックでしょうか。それとも、開業資金の額でしょうか。 多くのスクール経営者と向き合い、その舞台裏を見てきた私が行き着いた答えは、決してそうした表面的なスキルや資金力ではありません。

違いを生み出している最大の要因は、経営者自身の内面にある「素直さ」というマインドセットです。

1. 「うまくいく人」が持つ、自信と謙虚さの絶妙なバランス

ビジネスで成功する人は、一見すると我が道を突き進む強い自信家に思われがちです。確かに、自らの教育理念やスクールのビジョンに対して、人一倍強い自信を持っています。

しかし、本当に伸びるスクール経営者は、自信と同時に、「自分の知らない領域に対する圧倒的な謙虚さ」を併せ持っています。

彼らは、自分の実力を決して過大評価しません。「自分は教えるプロだが、マーケティングや組織作り、財務のプロではない」という線引きを明確にしています。

そのため、自分の専門外の課題にぶつかったとき、以下のような行動を躊躇なく取ることができます。

  • 自分が知らない分野であれば、プライドを捨ててその道のプロに相談する

  • 周囲の先輩経営者や専門家からのフィードバックを、真摯に受け止める

  • もらったアドバイスに対して、「まずは言われた通りに実行してみる」

彼らには、良い意味で「自分のやり方への執着」がありません。「そもそも自分が知らない分野なのだから、下手に自己流でやったところで上手くいくはずがない」と最初から知っているのです。

だからこそ、他人の意見をスポンジのように吸収し、驚くべきスピードでスクールを成長させていきます。

実際、私のクライアントに、コロナ禍という教育業界にとって未曾有の危機の中でも、一切客足を落とさず順調に経営を続けられている素晴らしい子供英会話教室のオーナー先生がいます。

この先生は、対談メディアや教材(『5年間の継続率90%超・選ばれる子ども英会話教室のオーナー先生に聞く、人気教室の作り方』)にも出演されている実績のある方ですが、その内容の締めくくりとして語られている「伸びる教室オーナーの特徴」でも、やはり真っ先に「素直さ」という言葉が挙げられています。

実績を出している人ほど、この資質の重要性を痛感しているのです。

2. 「うまくいかない人」を破滅に導く「自己流」と「こだわり」の罠

では、一方で「うまくいかない人」はどういう思考パターンに陥っているのでしょうか。

一言で言えば、彼らは「自分の思った通りにやれば、いつか必ずうまくいく」と盲信しています。過去にプレイヤー(講師)として優秀だった人や、プライドが高い人ほど、この罠にはまりやすい傾向があります。

こうした方に、周囲や専門家が「今の時代、その集客方法では届かないですよ」「価格設定を見直した方がいい」とアドバイスをしても、無意識のうちに以下のような言葉で心のシャッターを閉めてしまいます。

  • 「でも、私の地域ではそれは通用しないと思います」

  • 「しかし、以前の職場ではこのやり方でやっていたので……」

彼らは、他者からのアドバイスをまず「否定」から聞いてしまうのです。そして、 「この集客方法は泥臭くてやりたくない」 「自分がやりたい授業スタイルだけで勝負したい」 「自分を理解してくれる理想的な人だけをお客さまにしたい」 「素晴らしい授業をしていれば、いつかきっと、お客さまが自分を見つけてくれるはずだ」 という、都合の良い幻想に縋(すがる)りつこうとします。

自分のやり方に強い「こだわり」を持つこと自体は、決して悪いことではありません。それこそがスクールの独自の魅力(エッジ)になることもあるからです。

しかし、「自分の知らないビジネスの分野」にまでそのこだわりを持ち込み、他人の意見に耳を傾ける「素直さ」を失ってしまうのだとすれば、それは経営者として非常に危険なサインです。

3. 哲学の父ソクラテスが説いた「無知の知」:自己流に挑む前の大前提

今から2400年以上前、哲学の父と呼ばれたソクラテスは、人間が豊かに生きるための基本として「無知の知(むちのち)」という考え方を提唱しました。

学校の教科書などで、一度はその言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

この言葉の真意は、単に「私は何も知らない」と開き直ることではありません。「自分がいかに分かっていないか、その事実を自覚すること」こそが、すべての学びと成長のスタートラインであるという意味です。

ソクラテスの時代、街には「自分は何でも知っている」と豪語する知識人たちが溢れていました。しかしソクラテスが対話を重ねると、彼らは知っているつもりになっているだけで、実際には本質を何も理解しておらず、自分が知らないということにすら気づいていないことが露呈しました。

これは、現代のスクール経営にも完全に地続きで当てはまります。

「自分はすでに、経営について頭で考えられている」と思っている人ほど、実は大手の模倣やネットの浅い情報をなぞっているだけで、自校の強みや数字を客観的に捉えられていません。

だからこそ、いきなり「自己流」という無謀な武器を持って、厳しい市場の荒波に挑んでしまうのです。

「うまくいく人」は、この「無知の知」を本能的に理解しています。 「自分は経営や集客に関しては、まだまだ無知である」と自覚しているからこそ、現状の自分と謙虚に向き合うことができます。

自分の狭い考え方に固執せず、プロの意見や市場の反応に素直に耳を傾け、自らを柔軟に変革させていける。

これこそが、生き残る経営者と、淘汰される経営者を分ける「最大の差」なのです。

4. まとめ:地域密着型のスクールを守るために、いま私たちがすべきこと

もし、このまま「こだわり」という名の頑固さによって、素晴らしい教育理念を持った個人スクールや地域密着型の教室が次々と潰れてしまったらどうなるでしょうか。

日本の教育市場には、圧倒的な資金力を持つ大手の学習塾やチェーン店だけが残り、どこに行っても同じような教育しか受けられないという、業界全体の衰退を招くことになります。

私は、そんな未来を見たくありません。地域に根ざした、先生の顔が見える温かいスクールこそが、子どもたちや大人の人生を豊かにすると信じているからです。

だからこそ、経営者の皆さんにお伝えしたいのです。 スクールを生き残らせるためには、時には泥臭くてもいいのではないでしょうか。

綺麗な正論や、格好をつけたスマートなやり方ばかりでは、この激動の時代を勝ち抜くことはできません。

国や自治体が用意してくれている使える支援制度や補助金があるなら、プライドを捨てて徹底的に活用していけばいいのです。

「士業やコンサルタントを頼るのは恥ずかしい」などと思う必要は全くありません。

ただし、一つだけ注意してほしいのは、「ネットに転がっている誰が書いたかも分からない情報だけを盲信しない」ということです。

あなたのスクールの立地、客層、資金状況、そして先生ご自身のキャラクターによって、取るべき正解のルートは全く異なるからです。

あなたの「こだわり」を活かすための、正しいロードマップを一緒に作りませんか?

「自分のやり方に限界を感じているけれど、どこを変えればいいのか分からない」 「周りに本音で経営の相談ができる人がおらず、自己流の沼にはまり込んでいる」

そのようにお悩みであれば、一度その胸の内を私に預けてみてください。 あなたが教育に対して持っている熱い「こだわり」はそのままに、ビジネスとしてスクールを軌道に乗せるための「仕組み」と「客観的な視点」を、プロのコンサルタントとしてお伝えします。

「無知の知」を受け入れ、素直に一歩を踏み出した瞬間から、スクールの未来は劇的に変わり始めます。

生き残るために今何をすべきか、迷うようであればいつでもご相談ください。

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