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2021.7.23
教室運営のヒント NO,385◆税理士を変えたいと思っている人へ
「今の税理士、何もしてくれない…」と不満を持つスクール経営者へ。安易な顧問変更に潜む罠と、正しい「費用対効果」の測り方
はじめに:増え続ける「税理士を変えたい」という経営者の本音
学習塾や英会話スクール、各種教室を運営する経営者や個人事業主の方々と日々お話ししていると、最近特に多く耳にするようになったご相談があります。
それは、「今の税理士を変えたいと思っているけれど、どう思う?」という切実な悩みです。
現代は非常に便利な時代になりました。クラウド型の安価な会計ソフトウェアが普及し、AIのサポートや直感的な操作によって、簿記や会計の専門知識がそれほどないスクール経営者であっても、日々の入出金を入力し、ステップ通りに進めれば自力で税務申告(確定申告や決算)ができる環境が整っています。
それにもかかわらず、なぜ今もなお、多くのスクール経営者は決して安くない費用を払って税理士を雇い続けているのでしょうか。
そこには、単なる「書類作成の代行」を超えた、以下のような期待や目的があるからに他なりません。
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「面倒な経理作業から解放され、本業であるスクール運営や生徒集客に集中したい」
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「複雑で毎年のように変わる税法をいちいち調べる時間がない(税務のプロに任せたい)」
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「無駄な税金を払いたくないので、合法的な節税のアドバイスがほしい」
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「今後の教室展開や設備投資に向けて、経営的な視点でのアドバイスがほしい」
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「新しい校舎の出店や運転資金のために、金融機関からの融資(資金繰り)の相談にのってほしい」
このように、経営者が税理士に求める役割は、時代の変化とともに「ただの計算係」から「経営のパートナー」へとシフトしています。しかし、その期待が大きければ大きいほど、現場ではある決定的な「ギャップ」による不満が噴出しているのです。
1. 不満の根本にある「何もしてくれない」という言葉の正体
税理士の変更を真剣に考えている経営者の方々に、その理由を深く掘り下げて聞いてみると、ほぼ全員が共通して口にする言葉があります。
それは、「うちの税理士、顧問料を払っているのに全然『何もしてくれない』んだよね」という不満です。
そして、その根本にある心理は「支払っている費用に対して、得られる効果が見合っていない(費用対効果が悪い)」という不条理感です。
しかし、税務と経営、そしてスクール運用の仕組みを知る立派なビジネスパーソンとして、ここで一度冷静に、客観的な視点からこの問題を紐解いてみましょう。経営者が感じる「何もしてくれない」という不満は、実は税理士側の怠慢だけが原因ではなく、最初の契約時における「ボタンの掛け違い」が引き起こしているケースが非常に多いのです。
原因①:その業務、本当に「契約範囲」に入っていますか?
「知り合いの紹介だから」「最初は売上が少なかったから」という理由で、月額数千円〜数万円前半の「安価な顧問契約」からスタートした場合、その契約内容の多くは「試算表の作成」と「確定申告・決算書の代行」という最低限の作業のみに限定されている可能性が極めて高いです。申告以外のスポット業務(節税のシミュレーション、経営相談、議事録作成など)は、そもそも契約の範囲外(別料金)になっているケースです。
原因②:税理士は「税務のプロ」であって「経営のプロ」ではない
ここが最も大きな勘違いを生みやすいポイントです。国家資格を持つ税理士は、税法や会計のプロフェッショナルですが、すべての税理士が「ビジネスを成長させるための経営アドバイス」や「銀行を納得させる融資のコンサルティング」を得意としているわけではありません。 むしろ、過去の数字を正確に処理する「守りの税務」が本業であり、未来の投資をコントロールする「攻めの経営・資金繰り」のアドバイスができる税理士は、業界全体を見渡しても決して多くはないのが現実です。
特に、破格の安さを売りにしている税理士事務所や、大量の案件を抱える大型事務所の場合、あなたから送られてくる領収書や通帳のコピーは、経営アドバイスの対象ではなく「迅速に処理すべき作業(データ入力)」として機械的にこなされていきます。 ビジネスの構造上、低価格である以上は効率化せざるを得ないため、親身な相談に時間を割けないのは、ある意味で「仕方のない部分」でもあるのです。
2. 格安スマホと大手キャリアの理屈:安さを求めながら手厚いサポートは望めない
この関係性は、私たちが日常的に利用している「携帯電話の通信キャリア選び」と全く同じ構造をしています。
ここ数年で、月額料金を大幅に抑えられる「格安スマホ(MVNO)」や、大手キャリアのオンライン専用ローコストプランが広く普及しました。これらは、固定費を抑えたい人にとって非常にありがたいサービスです。
しかし、月額2,000円前後の格安スマホを契約しておきながら、以下のような要望を出す人がいたらどう思うでしょうか。
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「スマホの使い方が分からないから、近くの店舗に行って手取り足取り1時間教えてほしい」
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「データ移行の作業を、スタッフがすべて無料で代わりにやってほしい」
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「通信障害やトラブルが起きたとき、専用のコールセンターに1分以内に繋いで対応してほしい」
誰もが「それは理屈が通らない」と思うはずです。なぜなら、格安スマホが安い理由は、店舗数を減らし、人件費を削り、サポートを自己責任にすることでコストカットを実現しているからです。手厚い対面サポートや即時のトラブル対応を求めるのであれば、それ相応の基本料金を支払って大手の主要キャリアと契約するのが筋というものです。
税理士の顧問報酬も、これと完全に同じです。 もし、あなたが今の税理士に対して、「申告書の作成(作業)」だけでなく、
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「うちのスクールのビジネスモデルを理解した上での経営アドバイス」
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「キャッシュフローを最大化するための資金繰りの相談」
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「税務調査が入ってもびくともしないための事前の対策とアドバイス」
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「合法的に手元にキャッシュを残すためのオーダーメイドの節税提案」
といった、高度な知恵や個別対応を求めているのであれば、当然、税理士側に支払う報酬額は上がっていきます。作業ではなく、税理士の「時間」と「専門知識(知恵)」を買い取る形になるからです。
実際、私のもとに相談に来られた経営者に対して、その方が「本当に求めているサポート」をヒアリングし、それらをすべて網羅した形で見積もり(報酬額)をご提示すると、決まって「今の税理士への支払額よりも高くなる」という現象が起こります。
しかし、これは決して不当につり上げているわけではありません。経営者のニーズに対して、プロフェッショナルが正当なリソースを割くための「適正価格」なのです。
3. 知識商売をしているスクール経営者だからこそ、理解できるはず
この記事を読んでいるあなた自身も、スクール(学習塾、英会話、スポーツ教室など)という「教育・知識・ノウハウを提供するビジネス」を営む経営者です。だからこそ、この「報酬と価値の比例関係」は、誰よりも深くご理解いただけるのではないでしょうか。
例えば、あなたのスクールで以下のようなコース設定があったとします。
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Aコース:週1回、決められたテキストに沿って集団で一斉に授業を受けるだけのコース(低価格)
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Bコース:生徒一人ひとりの学力や目標に合わせてカリキュラムを組み、授業時間外の質問対応や進路指導、モチベーション管理までをすべて網羅するオーダーメイドの完全個別指導コース(高価格)
もし、Aコース(低価格)に入会した生徒の保護者から、「なぜうちの子のために、個別の学習プランを作って毎日進捗をLINEで報告してくれないんですか?」とクレームが入ったら、あなたはどう答えるでしょうか。 「大変恐れ入りますが、そのレベルの手厚いサポートをご希望であれば、Bコース(個別指導プラン)へのご変更と、相応の授業料をいただく必要がございます」と説明するはずです。
教育ビジネスにおいて、講師の知識や時間、個別の熱量が高くなれば月謝が上がるのが当然であるように、士業のビジネスにおいても、経営・資金繰り・節税・税務調査のすべてを網羅して並走してもらうのであれば、報酬が上がっていくのは至極当然のロジックなのです。
4. まとめ:税理士を変える前に、必ず確認すべき「2つの問い」
もし、あなたが「費用を安く抑えたい」という動機をきっかけに税理士の変更を検討しているのであれば、契約を破棄する前に、一度立ち止まって以下の点をはっきりと整理・決断することをお勧めします。
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自分は税理士に「作業(申告)」を求めているのか、それとも「知恵(経営・節税のアドバイス)」を求めているのか
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削減された顧問料の分、自分でどこまでの経理・書類作業を負担する覚悟があるか
もちろん、「安かろう、悪かろう」の言葉通り、最低限の契約であるにもかかわらず、約束された期日を守らない、重大な仕事のミスを連発する、コミュニケーションが全く取れない、あるいは税務調査の際に頼りにならず指摘ばかり受けるなど、「ビジネスの基盤を揺るがすレベルで妥協できない問題」が発生しているのであれば、即座に変更すべきですし、それは致し方ない決断です。
しかし、もし不満の理由が「アドバイスをくれない」「親身になってくれない」というものであれば、変更手続きに進む前に、まずは今の税理士にこう問いかけてみてください。
「私が今、求めている『〇〇(融資や節税など)』の相談やサポートは、先生のところで対応していただくことは可能ですか? もし、それらを本格的に行っていただくとしたら、報酬額はいくらになりますか?」
この確認を行うことで、「今の税理士のまま、適切な追加報酬を払って契約内容をアップグレードする(大手キャリアプランに変える)」という選択肢が見えてくるかもしれません。あるいは、「今の先生は作業特化型だから、やはり自分の求めるパートナーではない」という確信を持って、次の新しいステップ(税理士変更)へと進むことができるはずです。
あなたのスクールの未来を支える、最適な「道」を一緒に探しませんか?
「今の税理士との契約が適切なのか、一度客観的に見てほしい」 「スクールの売上規模が拡大してきたので、作業代行ではなく、経営や資金繰りの相談ができるパートナーがほしい」
もし、財務や税務、そしてスクール経営の方向性についてお悩みであれば、ぜひ一度私にご相談ください。 私自身、スクールビジネスの仕組み化(システム化)や経営コンサルティングに深く携わると同時に、税務の現場も熟知しております。
あなたのスクールが今、本当に必要としているサポートの形を整理し、費用対効果の最大化に向けた最適な道を一緒に作っていきましょう。
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