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【佐藤仁のスクール経営論】「サブスク」の罠に学ぶ——高額売り切りに逃げない、最強の月謝制モデル

なぜ「牛角のサブスク」はあっという間に終わったのか?

「サブスク(サブスクリプション)」という言葉が世の中に定着して久しくなりました。動画や音楽の配信サービスをはじめ、今や服、車、家具、飲食に至るまで、あらゆる業界が定額制モデルを取り入れています。

過去に大きな話題となった象徴的な例として、焼き肉チェーン「牛角」が実施した月額11,000円で「牛角コースが食べ放題」になるPass(サブスク)をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

この取り組みは発表直後から注文が殺到し、店舗の混雑や一般客が入店できない事態を招いた結果、わずか1か月足らずで新規販売の終了を余儀なくされました。

このニュースを見た時、多くの方は「定額で使い放題なのだからお得だ」と思ったかもしれません。

しかし、ここに「サブスクの最大の誤解」「ビジネスモデルとしての落とし穴」が隠されています。

そもそも「サブスク=使い放題」ではない

多くの経営者が勘違いしがちなのですが、サブスクリプション(Subscription)という英語の本来の意味に「使い放題」というニュアンスは含まれていません。

本来の正しい意味は、「一定期間に応じて、一定の対価(定額)を支払う会員制契約」です。

牛角の事例のように、顧客にとって得になりすぎる「過激な使い放題」を打ち出してしまうと、既存のキャパシティを超えて現場が疲弊し、利益が残らないどころかサービスの品質低下を招いて事業が破綻します。顧客も事業者も疲弊する「無計画なサブスク」は、市場から姿を消していくのが世の常です。

そして、この「一定期間、定額を支払ってサービスを受ける会員制モデル」を、何十年も前から当たり前のように実践してきた業界があります。

それこそが、私たちが携わる「スクール・教室業界」の「月謝制」です。

「毎月、お金が入ってくる」という奇跡

スクール経営の現場に長く身を置いていると、つい感覚が麻痺してしまうことがあります。しかし、一度スクール業界の外に出て他のビジネスを見渡してみてください。

「顧客が定期的に来店し、毎月継続して定額を支払い続けてくれる」

このビジネスモデルがどれほど強力で、他業界から見て喉から手が出るほど欲しい仕組みであるかを、経営者はもっと自覚するべきです。

飲食店やアパレル、各種サービス業の多くは「一回買ってもらったら終わり」の世界です。常に新しい顧客を探し続け、リピートしてもらうために多大な広告費と労力を払い続けなければ、来月の売り上げすら立たないという過酷な生存競争の中にいます。

それに比べ、ストック型ビジネスであるスクール業界は、顧客との関係性が続く限り毎月の収益が計算できます。これは経営における最大の武器です。

しかし、この強力なモデルを持ちながら、自ら経営を苦しくしてしまうスクールが後を絶ちません。

薄利多売の限界と「高額売り切り講座」の罠

スクール業界の月謝制ビジネスには、長年抱えている構造的な弱点もあります。それは、「広く薄く利益をいただく、単価の低い薄利多売モデルに陥りやすい」という点です。

圧倒的な集客力があれば、単価が低くても生徒数(ボリューム)で損益分岐点を大きく超えることができます。しかし、集客力に乏しい中小スクールが安易な薄利多売をやると、あっという間に資金繰りが行き詰まります。

そこで集客力のない経営者がやりがちな失敗が、「高額な養成講座や資格講座の売り切り販売」への依存です。

「単価30万円〜50万円の高額講座を数人に売って、手元の現金を作ろう」

一見すると手っ取り早く売上を作れるように見えますが、私、佐藤仁はスクール経営コンサルタントとして、この「高額売り切りモデル」への安易なシフトをお勧めしていません。

高額な売り切り商品は、売れた瞬間はまとまった現金が入りますが、講座が終われば顧客との関係も、収益もそこでゼロになります。翌月にはまたゼロから次の高額購入者を探さなければならず、精神的にも経営的にも永遠に安定しません。

強いスクールが作っている「高単価×継続(月謝制)」の仕組み

では、集客力に頼らず、かつ経営を安定させるためにはどうすれば良いのでしょうか。

答えは明確です。「高額な売り切り商品」にするのではなく、「価値に見合った高単価な月謝制講座(サブスク)」に組み替えることです。

  • 単に安い月謝で大勢を集めるのではなく、自校ならではの深い価値を提供して「高単価の月謝」を設定する

  • 一回限りの高額講座ではなく、成長ステップに合わせた「長期継続できるカリキュラム」として月謝制で提供する

無理な「使い放題」で自滅したサブスクや、その場しのぎの「高額売り切りモデル」は、時代とともに姿を消していきます。

スクール業界が昔から持っている「月謝制(会員型ストックビジネス)」という最強の武器を正しく理解し、単価と価値を高めて継続してもらう努力を怠らないこと。

これこそが、どんな景気変動や時代の波が来ても生き残り続ける「強いスクール」の絶対条件です。

「自校の月謝設定や単価アップの仕方に悩んでいる」

「高額商品の売り切りから、継続型の高単価モデルへ切り替えたい」

そう思われる経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。

貴校の強みを最大限に活かした、持続可能なストックビジネスの設計を一緒に作っていきましょう。

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